君は僕のもの




「…あのぉ…、あたしと一緒に文化祭回ってくれませんか!?」

その三人組の中の一人が真っ赤な顔をして俺にそう言った。




「あ、…悪いけど「彼女さんっ!」」

断ろうとした時、



急にその女が俺の言葉を遮ってそう言った。

…そしてソイツの視線の先には、…驚いた表情の愛梨。



「最近一緒にいないよね?

だからさ、今日だけ譲ってよ!」


愛梨に近寄ってその女はそう言うと、愛梨の手を取って笑う。


…は、ちょっと待てよ…っ、

内心かなり焦りながらも何も言えずに愛梨の反応を窺うように見ていた。




「……っ、…いいよ、別に」


っ!?




愛梨はそう言うと、そのままホールの方へ行って、




「ちょっと愛梨っ!?」


俺のことをチラッとだけみてから愛梨の後を追うように早川もそっちへ向かった。





「…やったぁー!超嬉しいんだけどっ!!


じゃぁ…、行こうっ?矢上くんっ」





何が『行こうっ?矢上くんっ』だよ…


ふざけんなって、本当に…。





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