君は僕のもの
女たちがいなくなってから少し経った頃、
「…愛ちゃん、可哀想」
悲しそうな表情と声のトーンで翔太は言うと、俺の隣の椅子に座った。
可哀想…、か。
…あの時
あの、女に聞かれた時に見た切なそうな、
…でもどっか辛そうな。
今にも泣き出しそうに。
「どーしようもないわ…」
座っていた椅子に更に深く座ると、
髪をクシャクシャっとしながら俺はそう言った。
「話してくれば…?
その間、俺が愛ちゃんの代わりに出とくから」
俺の肩をポンって叩くと、机の上に置いたエプロンを取って腰に巻いた。
そんな翔太の後ろ姿を見て、
久し振りに何か男っぽく見えた気がする…
「サンキュ…」
短くそう言うと、
腰に巻いてたエプロンを机の上に置いた。