君は僕のもの
「最初は東校って言ってたのに…、入学式でいきなり西校って言うじゃない?
…だから何でかなぁ?…って、」
蚊の鳴くような小さな声で、愛梨は俺の目をチラチラとみながら言う。
また、きっと俺が怒り出すとでも思ってるんだろ…
「別に、特に意味はないよ、
西校のが家から近かったし、勉強も楽だし…?」
確かに勉強は俺のレベルだとかなり楽なんだよな、
家からもかなり近いし。交通費かかんないし。
…それに、
「…っあ!
確かに、そうだよねっ」
愛梨は、笑いながら出入り口の扉の方へ歩いて行った。
「…おいっ、てゆうか、なんっ「早く行かないと、昼休み終わっちゃうよ?」」
俺の言葉を遮って、愛梨はニコッと笑った。
やっぱり…、
何かコイツいつもと違うような気がする。
けど、…
コイツが変なのはいつものことだし…、気にする必要もないだろ、?
「…戻るか」
俺はそう一言、言って愛梨の元へと向かった。