君は僕のもの
何度も「大丈夫?」って美菜は心配してくれて、でもあたしもそのたび「大丈夫」と言って。
接客とかそういうことに没頭して忘れようと、揉消そうと必死だった。
そんな時、突然あたしの肩に誰かの手が触れて、
思い切り後ろを振り返った。
「…そんなビックリしなくていいのにっ」
ケラケラと笑いながら翔太くんは言った。
何だ、翔太くんだったのか…、勝手に期待をした自分自身が嫌になって、また無かったことにしようとする。
「ごめんね、期待はずれで」
あたしの心の中を見透かしたようにそう言う、
「…別に、そんなんじゃないよ…」
「行ってくれば?
ちゃんと樹と話してみなよ、」
「…え、?」
そんなこと、急に言われたって…
「大丈夫」
女の子みたいな笑顔でそう言われてしまうと、…何か。
「…うん、」
「よしっ!
いい子だね、愛ちゃんは~」
優しくそう言うと『美菜ちゃんとこ行ってくるね?』って、
それを少し目で追ってから視線をずらす、するとあたしの視線は誰かとぶつかった。