君は僕のもの
大切な存在
そのままとぼとぼと教室へ戻るあたし、
「…樹くんコンテスト出るんだってーっ!!」
「えーっ!ヤバいでしょそれっ」
そんな会話をしながら体育館のある方向へ向かう子たち。
小さくため息が出て、…本当に樹はあたしなんかでいいのかなぁ、
そんなことまでも頭の中に浮かんでしまった。
「…愛梨っ!!
体育館、行こうっ」
あの恰好をしたままの状態で美菜はあたしにそう言うと、
まだ何も答えていないあたしの腕を引いて歩き出した。
「み、っ…みなぁ?!」
驚きながらも美菜の腕に引かれていくあたし。
「…愛梨のそんな顔、見てらんないよ…」
美菜はそう言うと、そのあたしの腕を掴んでいた手を離して振り返る…
「中途半端はいけないよ?…最近の愛梨みたいのは、
でも嫌なら嫌だって、ちゃんと言わなきゃダメ!…黙って何も言わないのはズルい」
そう言うと、またあたしの腕を掴んで歩き出す。
…美菜の言葉が心に響いてくる。
そっか、そうだよね。
「ありがと…」
そう小さく呟くと、少し美菜が笑った気がした。
言葉にしなきゃ…
ちゃんと伝わらないよね、