君は僕のもの




―…。


少しの間の長いようで短いような沈黙。





一学年の1位は……、矢上樹くんですっ!!』

その瞬間に体育館内は大きな歓声で包まれた。



「やっぱり樹かぁ、」

「…だねっ、つか歓声が凄いんだけど」



『女ってうるさ~い』なんて言いながら耳を塞ぐ素振りをする美菜。

…確かにこのキンキン声の数々はキツイものがある。



そんな女の子達にハァっとため息をつく、…すると少ししてから…





『えーっと…、学年の中での1位で選ばれた各学年ごと3名から!

…優勝者が決まったようですっ!』


そんなアナウンスが流れて、…一瞬の沈黙が生まれた。




『…優勝者は、


秋山裕也くんっ!!』



キャーっという歓声に包まれてその秋山先輩が前に出てくる。



『えーと、一年の矢上樹くんと僅差の中での堂々1位でした!

…それでは一言お願いします!』


マイクを持ったさっきの女の子がそう言うと、その持っているマイクを秋山先輩に突き付ける。




「…あー、ありがとう」


『えー、この気持ちを誰に伝えたいですか?』

そんな女の子の問いに…、


「アイツ?」

秋山先輩のその発言に体育館全体が黙り込むようにシーンとした。


『…あっ、

ありがとうございましたぁ!!』


女の子が無理矢理そうまとめてその場はおさまった?







< 237 / 252 >

この作品をシェア

pagetop