君は僕のもの
―…。
少しの間の長いようで短いような沈黙。
一学年の1位は……、矢上樹くんですっ!!』
その瞬間に体育館内は大きな歓声で包まれた。
「やっぱり樹かぁ、」
「…だねっ、つか歓声が凄いんだけど」
『女ってうるさ~い』なんて言いながら耳を塞ぐ素振りをする美菜。
…確かにこのキンキン声の数々はキツイものがある。
そんな女の子達にハァっとため息をつく、…すると少ししてから…
『えーっと…、学年の中での1位で選ばれた各学年ごと3名から!
…優勝者が決まったようですっ!』
そんなアナウンスが流れて、…一瞬の沈黙が生まれた。
『…優勝者は、
秋山裕也くんっ!!』
キャーっという歓声に包まれてその秋山先輩が前に出てくる。
『えーと、一年の矢上樹くんと僅差の中での堂々1位でした!
…それでは一言お願いします!』
マイクを持ったさっきの女の子がそう言うと、その持っているマイクを秋山先輩に突き付ける。
「…あー、ありがとう」
『えー、この気持ちを誰に伝えたいですか?』
そんな女の子の問いに…、
「アイツ?」
秋山先輩のその発言に体育館全体が黙り込むようにシーンとした。
『…あっ、
ありがとうございましたぁ!!』
女の子が無理矢理そうまとめてその場はおさまった?