君は僕のもの




「…何で黙ってんの?」

黙ったままベッド隅に座っているあたしに、樹がそう聞く。



…だ、だってっ!!

何なの?…このピンクいっぱいで、なんていうのか…



この…、


あ゛ーっ!!

いけない、あたしがそんな変なこと考えるなんていけない!



あっちゃいけないっ!!!





…と、一人で考えてみる。



「…そういえばさ、

ホラこれ、…凄いよなー、ここまでだとは思わなかったわ」


胸に下がってる銀色のメダルをあたしにチラリと見せるとあたしの隣に座った。



するとその樹の体重がベッドにかかって軋む。


…やけにこのベッド軋むな、

さすが、…何て。




「よ、よ、良かったね…!」

もうこういうことは初めてとかじゃないのに、…こんな場所に来ると無駄に緊張してしまう。



「…でも、お前嫌がってたんじゃないの?」


「べ、別に…」


あたしがそう言うと、ちょっと面白くなさそうな顔をしてベッドに寝っ転がる。



…何かあたし悪いこと言った…?


どうしよ…、とか思いながら急にそんな表情になった樹の機嫌を取り戻す方法を考えてみる。




「…あっ!

似合うね!…そのウェイターの格好!!」



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