君は僕のもの
「あっ、四人グループらしいからさっ、
翔太と矢上も誘っといたから!!」
少し興奮気味に美菜は言って、あたしの隣の空いている席に腰を下ろした。
…んん、
何か、めちゃくちゃ見てるけど、
「美菜…、どうかした?」
ちょっとその視線の熱さ、というか…、うん。それに耐えられないと思ったあたしは思わず聞き返す。
「な~んか、言うことあるんじゃない?
…あたしにさ?」
言うこと…?
でも…これは、何か裏がある気がする。
…うん。
「なんか、とは…?」
「…例えば、」
「た、例えば…、?」
「恋」
少しの沈黙の後に、やり切ったような笑顔で美菜は言う、
「こ、こ、こ、恋っ!?!?」
―ガタンッ!!
思わずあたしは叫んで、椅子から勢い良く立ち上がった。
「…あ、すいません」
あたしは、そう言うと倒れた椅子を直して座りなおした。
樹とか翔太くんとか…
クラスのみんなの視線がちょっと痛い。