君は僕のもの
「何か、最近いろんなことがあって…
この辺がモヤモヤするっていうか、苦しいってゆうか?」
そう言って、あたしは胸のあたりでクルクル人差し指を回転させるように動かした。
「あ゛ー、
本当にアンタは…、恋愛経験ないもんね」
…何っ!?
そ、その可哀想な人を見るような目は!!
「…てゆうか!
恋なんかじゃないから…っ」
キッと美菜を睨みつけるように言うと、
「ふ~ん…、じゃぁさ?
矢上が他の女と一緒にいたらどう思う?」
いきなり唐突な質問を突きつけられ、…少し黙る。
…頭の中で一瞬想像してみれば、その頭の中の想像上の樹と女の子をワシャワシャと消し去った。
「それは、困る…、かも」
「何で困るの?」
ニヤッと笑うように少し首をかしげるこの仕草は、あたしの知ってるある人物によく似ているような気がした。
「…べ、別に何となく、」
そんなニヤッと笑う彼女に負けるような声で、小さくそう言った。