君は僕のもの
今日あたしは不運な事に日直で…。
あのやる気のない担任に、
「あ、桐島~
お前さぁ、今日の日直だろ?
…それ、運んどいて?第三資料室に、
よろしくね~」
…と、
いかにも人に物を頼むような言い方では無い言い方で言われてしまったわけで…
そしてそして、この断れない性格上、
「あ、…分かりました」
言っちゃったんですよ。
…しかし、彼がそんなことを許すはずもなく。
「他の奴に頼めば?」
なんて、悪びれた様子もなくサラリと言って見せる。
「そ、それは、マズいでしょ?
あたしが頼まれたわけだし…」
「ふーん、分かった
じゃ、俺帰る、ばいば~い」
樹はそう言って、あたしの顔も見ないで帰って行った。
…あっけないなぁ、
ちょっとは何か、『待ってる』とか『手伝うよ』とか?
言ってくれちゃったりするかな、…何て想像したりしちゃってたけど、
あの樹がそんななるはずもなく。
「そんなもんだよなぁ、」
そう一言だけ言って、荷物の置いてある場所まで行った。