君は僕のもの
でも、どうして樹が居るの…?
「…あのぉ、樹?」
「…、」
話し掛けても樹からの返答は無かった。
ありゃりゃ?これは、完全に寝ちゃってる…
きっと起こしたら機嫌、悪くするかなぁ?
でも、
起こさなきゃ帰れないしっ!
…とか考えながら樹の寝顔を見る。
うーん…、
やっぱり格好良い顔してるよな。
赤茶色の柔らかい髪、
猫目で綺麗なくっきりとした二重の目。
長いまつ毛に、少しぷっくりした唇。
整った顔だよなぁ…、
って…、何考えてるんだ?!
え、あたし変態っ!?!?
やだっ、気持ち悪い…
何か最近、ずっと樹のことが頭から離れない。
どうしてだろ。
何でなんだろ…。
“…うっそだ~っ!
愛梨ちゃんは、好きだから困るんだぁ~”
美菜の言葉をふと思い返す。
好きだから…困る?