君は僕のもの
帰り道、樹の機嫌は相変わらずだった。
グチグチ文句を言われたけど、何だかんだ待っててくれた事が嬉しかっし、
だから何も言い返さなかったし。
「…じゃぁな、」
「うんっ、ばいばい」
あたしもそう言うと、樹は少しだけ笑って家の中に入って行った。
そしてあたしもすぐ家に入って、
お母さんに何で遅くなったのかを説明した。
するとお母さんは『何なのっ?その担任の先生は!!』なんてギャーギャー言いながら、お父さんに文句を言っていわけで。
お父さんは、いっつもお母さんの愚痴を聞かされてるせいか、あんまり聞く気も無いように見れた。
あたしはそんな二人を見てから、リビングを出て自分の部屋に向かった。
ベッドにゆっくりと寝っ転がって、天井を見る。
「…あー、どうしようっ」
そんなことを言ってもどうしようもないのに。
あたしはただ、そんなことを無意識に呟いていた。
樹は、あたしのことどう思ってんのかなぁ…
きっと、ただの“幼馴染”でパシリだな。
この想いが大きく、
強くならないようにと願いながらあたしは、眠りに落ちた。
強くなっていくことを分かっていながら…