君は僕のもの

気持ち

…樹side




あー、眠い…


どうにか顔?…いや違う。目は開いてる。…のかもしれないけど、頭の中はきっとまだ寝てる気がする。




今日は、あのレクレーションの日で、

よく分かんないけど…



バスで出かけて、バーベキューとか色々作ってやるらしい。



出来れば、行きたくなんかないけど…





んで、今はバスの中っていうわけ、隣には呑気にお菓子を食べて後ろにいる早川とケラケラ話している馬鹿が一人。



「あっ!これめちゃくちゃ美味しいっ!

ほらほらっ、美菜も食べてみて?」


「…んーっ、本当だ!!

すっごいおいし~」



そんな甘ったるそうなものを食べて、どうして美味しいなんて思えるのか?

…よく分からない。



逆にこんなんなん食べたら気持ち悪くなってバス酔いしそうなぐらい。



「なぁ…、翔太」

この女の会話を聞くのが嫌で早川の隣にいる翔太に話し掛けて後ろを振り返れば、



「…あっ!いっちゃ~ん食べてみっ!?」

満面の笑みでそう言われる。



あ、コイツも同類なのか。


なんて、そんなことを思ってから窓の方に頭を向けて寝る準備をした。




後ろで『シカト~?』とか言ってる翔太の声が聞こえる。


けど、無視。





「…ねぇねぇ?

樹もこのチョコレート食べ…「食べない」」

隣から楽しそうな声のトーンで聞いてきた愛梨に、俺は即答で答えた。


っていうか、答えるまでもない話だと思う。けど。




「おいしいのに…」

するとちょっと声のトーンが下がってて、


…きっと今、こんな顔をしてるだろうな、…なんて、



すぐに想像することができた。



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