君は僕のもの
「ちょーあっちぃ~」
「本当っ!めちゃくちゃあっつー!!」
翔太と早川は相変わらずのテンションでバスを降りた瞬間に、二人でキャーキャー言っている。
というか騒いでる。
うるさい…、
「…あっ、本当に暑いねぇ」
愛梨はというと、隣でパタパタ手で顔を仰ぐようにして風を送ろうとしていた。
手で仰いだって仕方ねぇのに…。
それより、本当に今日ってゆうかここは暑い。
今の時季は5月の中旬、
意外に暑いもんなんだなぁ…
「なぁなぁっ!
愛ちゃん達、こっちこっち!!」
そんな声が後ろから聞こえて振り返る。
「こっちでやろーよぉ」
続いて早川の声も聞こえる。
この場所についたら、好きな場所で班ごとに色々やるらしい。時間になったらまた集合って、
…確か担任が言ってた気がする。
「うんっ!今行くね~っ」
愛梨は、そう叫ぶと早川たちに手を振って俺のことを見た。
「行こっ?…樹!」
「ん、」
特に何も考えずにそう短く返事をした。