君は僕のもの
三階からいっきに一階まで降りて、
一番奥の場所にある保健室までは結構な距離があった。
…けど、だんだん苛々が増して、
何で俺がこんなことわざわざしなきゃなんないんだよ、
今になって思う。
けどやっぱり心配で、仕方ない。
矛盾する気持ちをとりあえず頭の中で解決して、
――ガラガラッ!
思わず俺は思いっきり強い力で、保健室の中に入った。
そこには、先生も誰もいなくて。
何の音もしなかった。
…けど、綺麗に閉まってるカーテンが少し意味深な感じ、
「おい……っ…」
もし愛梨じゃなかったらかなりアレだから、…一応、名前は呼ばずに声を掛ける。
…するとその瞬間、
カーテンの中に見えた影が一瞬だけビクッと動いた。
っ!
―シャーッ
俺は、思いっきりカーテンを開く、…と。
…?!、
思わず俺は息を呑み、数秒間だけ時間が止まったような気がした。