君は僕のもの
「そうそうっ
…おかげでドロドロになっちゃたよぉ~」
「つか…、コーヒー牛乳は?」
けどそんな樹から帰ってきた言葉は、心配とかじゃなくて“コーヒー牛乳”だったわけで。
「あ、突き飛ばされた時に…、落としちゃった」
そういえば、拾ってくるの忘れちゃった。
でも、仕方ないよ…、ね?
「は?
…俺、コーヒー牛乳が飲みたかったんだけど」
っ?
「え、でも…」
「つか、愛梨ってドン臭いよ、本当に」
「…っ、」
「そんなんじゃ…
絶対、彼氏とか?男できないよ」
樹はそう言っていつものように笑った。
本当は、冗談…なのかな?
ふざけてるのかな?
でも…、
でも…、今のあたしには、笑えるような冗談ではなくて、
「…。」
「なに?…シカト?」
思ったとおり、樹は不満そうな顔をする。
今のあたしの哀しさも全てを大きくさせるような…