君は僕のもの
終わったって何が…?
何が終わったんだろうか?
あたしと樹の関係?
あたしの樹への想い?
実際、考えればよく分からないけど…
上手く言えないあたしは、
「あたしと樹のつながり全部」
…そう答えた。
「…っ。
愛梨は本当にそれでいいの?」
本当にそれでいいの、?
本当って、…なんなんだろう。
「分かんないよ、…でも、いいんだよ」
真剣な目をする美菜を、あたしは見ることが出来なくて逃げるように視線をずらす。
「…はぁ、
本当は言うつもり無かったけど」
一つだけ大きな溜め息をついて、美菜はあたしを見た。
…何を言うんだろ?
「な、なに…っ?」
あたしも、美菜の目を見ながら聞き返す。
「矢上ってさ…、
ずっと好きな人がいるって、あの馬鹿から聞いたでしょ?」
そう言われた瞬間にあたしの心臓は分かりやすい反応をする、まだ“動揺”してるんだ。
けど。
…聞きたくない、
今のあたしにそんな、そんな…
これ以上あたしに哀しみとかそういうの与えないでほしい。…忘れさせてほしい。
「…その話しは、いいよ、あたしは…」
そう言ってあたしは立ち上がった。
反動的にこのまま逃げてしまおう、とにかくどこかへ…
そう思った時…、ガシッとあたしの手首を美菜が掴む。
「離しっ…「ちゃんと聞いて?」」
あたしの言葉を遮って美菜は言う、
何でそんな顔するの…?
どうしてそんな真剣な表情なの?
すると美菜は、話し出した。
「矢上がずっと好きなのは…
愛梨なんだよっ」