君は僕のもの




「…離して?」

俺は表情を一つ変えることなく、俺のワイシャツの襟を掴んでいる翔太の手を掴む。




「どーせ…、お前からそーいうこと言ったんじゃねーのかよっ!?」

翔太は俺からバッと乱暴に手を離すと、そう怒鳴って近くの椅子に座った。


…そうだったらまだ良かったんだけどね。




「残念ながら、違う、

…俺が言われたの、“関わりたくない”って」



「嘘だ…、」

俺の顔を見たまま目をこれでもかって位に見開いて、



…だから嘘じゃないんだって。






「お前はさ、愛ちゃんの気持ち、分かってねぇーんだよ」


驚いた表情をしてたと思えば、何でも分かってるような顔をして翔太は俺から呆れた表情のまま少し視線をずらす。




…愛梨の気持ちってなんなんだよ意味分かんない。



「…愛梨の気持ちって何?

つか、もう関係ないし」



うん…、

関係ない。


だってそう言われたし、仕方ない。



…仕方ない。




「素直になれよ~、本当にさ…

愛ちゃんも、本当に関わりたくないなんて思ってんの?…本当の気持ちちゃんと聞いたのお前?
俺はそれ、本心じゃないと思うけどな……っ!



……ああぁぁぁっ!!!』


何か知らないけど、俺に色々語ってた翔太が急に大きな声を出し始めた。




今度は何…?


クラスの奴らが驚いた表情で再び俺達を見る。



あぁ、止めてくれ…、




「…なんなんだよ、今度は」


本当に何なんだよ。



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