君は僕のもの

何？何、何なのそれ？



「だって…、

愛ちゃんが樹のこと凄く気にしてたみたいだったからさ…っ」


口を膨らませながら翔太は『助けてあげたかったんだもん』とか言う。


いや、今の俺にはそんなことどうでもいい。

そんな俺の顔色を覗うように何度も何度もチラチラと見てくる。



それよりも愛梨が俺のことを気にしてたってことに驚く。


…何で？

俺の何を気にしてたわけ？


嫌だったんじゃねぇの？…わけ分かんね。




「…とにかくっ！

愛ちゃんの様子がおかしくなった原因は、少なくとも…いやっ、うん、

俺のせいです。多分…」


うじうじしながら結論的に曖昧な答えを出して、勝手に一人で納得をする翔太。



…ちょっと待て、


「つかっ「しょーたぁ！どこ行ってたのぉ～？？」」


もっと聞きたい事があったのに、またいつものパターン。

このタイミングで入ってくるようなで邪魔な奴は俺が知ってる中で一人しかいない。



…早川、




「あ、矢上っ！

しょーちゃん、借りちゃうねっ」


いつもより少し甲高い声で早川は言うと翔太を半ば強制的にどこかへ連れて行った。



…何でいつもこういうことになるんだ？

つーか、いつからしょーちゃん、になったんだろう。




そんな事を頭の中で思いながらその考えをすぐに消して、違うことを考える。





愛梨はもしかしたら何かを誤解してたんじゃ？

…だからあんなこと言ったとか？




いや…、

違うだろうな。そんな自惚れたようなことあり得ないだろ。



俺が振り回し過ぎた、そいうことなんだよな、