君は僕のもの




すると少しの間だけ沈黙が生まれた。



…んっ、


何か話さなきゃと、そう思っていた時、



「あの…っ、

矢上くん…ちょっと、いいですか?」


まるで沈黙を破るように、そんな言葉を発した女が現れる。



…ったく、誰だよこんな時に、間が悪い。



俺に何を言いに来たのか大体はその女を見れば分かるけど…




けど今は。

こんな奴に構ってる暇わない。


「…行って、きなよっ」


そう思って無視して行こうとした時に、愛梨は突然そんな事を言うと元の方向に体を向けて歩き出そうとした。


…苛つく。


何なんだよ、お前は。


そんな愛梨の態度に腹が立った俺は、もう愛梨の腕を引いていて、


すっぽりと細い身体の愛梨を胸の中に納めた。



「…またにしてくれる?

今は、暇じゃないんだよね」


そう、俺は暇じゃない。


そのまま愛梨の腕を引いて歩きだした。





しばらくすれば聞こえる、


「…ちょっとっ!

何なの?ねぇ、どうしたの…っ?」


後ろでギャーギャー騒いでる奴を俺は断固として無視して黙々と歩きだす。



…もうこうなったらやるしかない。


って何を?…なんて思ったりもするけど、


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