君は僕のもの
「…っ、
恥ずかしいよ、…何か」
何か、何か…!
樹の顔が見れないんだけど、本当にっ!!
そんな自分が恥ずかしくて思わず樹から顔を背けてしまう。
「こっち向けって」
樹は寝っ転がっていた体制から元の体制に戻ると、あたしの顔を覗きこんで少し笑っていた。
…何か急にこんな感じになって。
昔とかは、何ともなかったのにさっ!!
そりゃぁ。それが当り前なのかもしれないけど…
「恥ずかしい…?
どうしてそんな恥ずかしがるの?」
悪戯な表情であたしの顎に手を添えると、優しくそう言う。
ズルい…
普段は口調とかもっとぶっきら棒だったのに、たまにこうやって優しい口調になる。
「だって…、樹がっ…つか、何か恥ずかしいっ!
もう、やだやだぁ~」
自分でもわけの分からないことを言って、
だんだん顔が熱くなっていくのを感じると両手で顔を覆うようにして下を向いた。
…絶対、今あたしの顔って真っ赤だ!!
「…やだって、んなこと言わせねぇよ?
俺が今まで我慢してたの知ってる?」
っ!?!?
が、が、我慢…っ?!
いつもよりより一層、強気な表情で言うと樹はあたしの腕を掴んで少し自分へ引き寄せる、
…!
そして、
「愛梨は…、俺のこと好きじゃないの?」
…なんてズルイことを言う。