キミの音を聴きたくて


「お前、似ているんだな。
“ お姉さん ” に」



お姉、さん……?
その言葉は、私の胸に決定的な痛みを感じさせる。



ねぇ、お願い。
やめてよ。
もうあの日のことにはフタをしたの。




「バレていないとでも思っていたか?」



ドクン、ドクン。
嫌な汗が止まらない。



これ以上、ここから先の言葉を聞いてはいけない。
一瞬で危険を察知したにも関わらず、やっぱり体は硬直している。




「天音奏汰。
この名前、忘れたとは言わせねえ」



もしかして……。
そう思っていたことが、確信に変わっていく。




そっか。
だから天音先輩も、弾かないの?




────『陽葵、助けて……っ』




「いやぁぁぁっ……!」



私の意識は、そこで途切れた。

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