キミの音を聴きたくて
「はぁ……。
どうして入ってくるんですか」
「お前も仏壇の前に行け」
率直に言われて、肩がビクッと跳ね上がる。
仏壇……?
そんな物、一生見たくない。
「絶対に嫌です!
私は……っ!」
「澄恋(すみれ)の命日くらい、向き合ってくれよ!
お願い、だから……」
天音先輩は、いつもの上から目線な態度とは真逆。
心から私に懇願しているようだ。
────そう、今日は。
私のお姉ちゃん、音中澄恋の命日。
ちょうど3年前、私が罪を犯した日だ。