キミの音を聴きたくて
『お、ねぇ、ちゃ……』
ねえ、嫌だ。
やめてよ。
信じたくないよ。
目を覚ましてよ。
私からお姉ちゃんを取らないでよ。
お姉ちゃんの体は既に冷たくなっていた。
私と電話しているときに交通事故にあって。
お姉ちゃんは─────死んでしまった。
もうこの世界には、いない。
もう笑い合うことは、できない。
『っお、ねえちゃぁぁぁーーーん……っ!』
涙が止まらなかった。
それでも、お姉ちゃんは戻ってこない。