キミの音を聴きたくて


『お前のせいで、澄恋は死んだんだよ……っ!』



悔しそうで、悲しそうだった。



正面からそう言われるなんて思っていなくて、一瞬ひるんだ。



彼の剣幕に押されて、返事なんてできなかった。




『澄恋がわざわざ取りに帰った “ 大切な物 ” が何がわかるか?』



また私に怒りの声をぶつける。



でも、次の言葉に瞬きも忘れて驚くほどの衝撃が走った。




『お前のコンクールのための、お守りだよ』



その言葉を聞いたとき、真っ暗な闇の中に落ちていく感覚がした。




まるで底なし沼のような、何をしても償いきれない私の罪。



お姉ちゃんが死んだのは、私のせいだ。

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