キミの音を聴きたくて
報われない気持ち
もうすぐ、秋が終わる。
上着が手放せなくなるこの季節。
私は、日々ちゃん、相川さんと一緒に帰ろうとしていた。
すると。
「好きですっ!」
どこからか女子のそんな声が聞こえてきた。
玄関を見ると、女子と……天音先輩が向かい合っていた。
もしかして、今告白されていたのは天音先輩?
「付き合ってください!」
久しぶりに見た彼の姿にドキリと胸が音を立てる。
それと同時に、ズキ、と痛みが走った。