キミの音を聴きたくて
「ありがとう」
でも、今はそんなこと思っていない。
もちろん、罪悪感や自責の念は消えない。
けれど、それをいつまでも抱えて、不自由に生きていくのは間違っている。
だって、お姉ちゃんは心の中に居座ろうと思っているわけじゃないし。
ましてや、自分の存在が誰かを縛っているのなら、開放しようとするはずだから。
そう思えるようになった。
お姉ちゃんがいるから、私はまた頑張れる。
前を向いて、歩き出せる。
「大好き、だよっ……。
おね、ちゃ……っ」
誰もいないはずのお墓。
それに抱きついて、涙を流す。
「澄恋」
後ろから、あたたかいものに包まれるぬくもりを感じた。
嘘でしょう?
これは……天音先輩?