キミの音を聴きたくて
そんなことは一目瞭然だ。
よく笑うようになったし、キラキラと輝いて見える。
そして何よりも、やっとお姉ちゃんのこと以外にも目を向けられている。
あんなにも人を信じていなかった彼が、こんなにも穏やかに笑えるようになるなんて。
きっとお姉ちゃんが見たらびっくりするだろう。
「ほら、マイク持って。
準備するぞ」
思わずボーッとしていたけれど、これから私は歌うんだ。
憧れの天音先輩のピアノと一緒に。
またこのステージに立つことなんて、ないと思っていた。
でも、また……お姉ちゃんとの思い出の場所で歌えるなんて。
空まで届くように歌うから、聴いていてね。
……お姉ちゃん。