キミの音を聴きたくて
「僕は3年前、とても大切な人を失いました。
当時は楽しかったことも楽しいと思えなくなるほど、ショックは大きかったです」
ステージにいる彼の言葉に、会場にいる全員が耳を傾けている。
まるで彼のつくる世界に引き込まれていくようだ。
「ですが、この学校でいろいろなことを学び、いろいろな人と出会い、生きていくことが楽しいと思えるようになりました」
“ いろいろな人 ”
私はその中に入っていますか?
私と過ごした時間は楽しかったですか?
「だから、友人にも先生方にもこの校舎にも感謝しています。
そして、僕が傷つけてしまった人に謝りたいです」
傷つけた、人……?