キミの音を聴きたくて
きっと天音先輩だってそうだ。
諦めようと思っても夢は諦められない。
お姉ちゃんのことだって忘れられない。
そしていつからか全てを否定するようになった。
「諦めなくて良かったって思うよ」
「私も、です」
先輩が微笑むから、つられて私も笑ってみせた。
「なあ、陽葵。
お互い夢を叶えたら、ステージで会おう」
叶うかはわからない。
それでも信じてみようと、私は思う。
握手をして、不確かだけれど固い約束をした。
「はい!
絶対追いついてみせますから」
それまで待っていてくださいね。
天音先輩。