キミの音を聴きたくて
それから、私達は休み時間も放課後も一緒に過ごすようになった。
私はハッキリと気持ちを言うタイプだけれど、彼女は控えめにものを言うタイプ。
そんな正反対な私達だけれど、なぜだか気が合って、一緒にいると楽だった。
素の自分でいられる、私にとってかけがえの友達。
それが日々ちゃんだ。
「もちろん、いいよ」
そんな日々ちゃんは、意外にも勉強が苦手らしく、私にいつもわからないところを聞いてくる。
素直に質問してくる姿もかわいくて、いつも癒されている。
「数学の、この問題がわからないの……」
「あぁ、これはこの公式を使えば解けるよ」
まだ入学してから1ヶ月弱。
クラスに馴染めていないわけではないけれど、あまり友達はいない。