キミの音を聴きたくて
私を頼ってくる人はいても、仲良くなろうと接してくれるのは日々ちゃんだけ。
その事実は少し悲しいけれど、大丈夫。
私にとって怖いものなんて、もうないんだから。
「そっか!
ありがとう、陽葵ちゃん」
フワリと笑って、彼女は席に戻っていく。
どうしてこんな私に歩み寄ってくれたのかはわからない。
でも、大切にしたい存在だ。
こんなにも私を気にかけてくれる友達は、彼女が初めてだから。
私もいつか向き合いたいと思う。
すると、一部始終を見ていた隣の席の人が。
「やっぱり頭いいんだなー」
いつも通り、そう話しかけてくる。
……あ。
ここに、私に話しかけてくる例外の人がひとりいた。