キミの音を聴きたくて
◇◆◇
「はぁ……」
せっかくの、高校生活。
あんなにも楽しみにしていたはずなのに、今はため息をつくほどにこんなにも憂鬱だ。
そう、あれから2週間が経ち、私は無事に入学できた。
友達はたくさんとは言い難いけれど、一応いるにはいる。
とても愛らしい子だ。
入学式当日。
新入生の言葉は間違えずに言い切ることができて、私は盛大な拍手に包まれた。
まぁ、あの生徒会長に指導してもらったんだから。
今では少し誇らしい。
思い返すと、とても不思議な気分になる。
私が彼のような人と過ごすなんて、想像もできないから。