キミの音を聴きたくて



◇◆◇




「はぁ……」



せっかくの、高校生活。



あんなにも楽しみにしていたはずなのに、今はため息をつくほどにこんなにも憂鬱だ。





そう、あれから2週間が経ち、私は無事に入学できた。



友達はたくさんとは言い難いけれど、一応いるにはいる。
とても愛らしい子だ。




入学式当日。
新入生の言葉は間違えずに言い切ることができて、私は盛大な拍手に包まれた。



まぁ、あの生徒会長に指導してもらったんだから。
今では少し誇らしい。



思い返すと、とても不思議な気分になる。
私が彼のような人と過ごすなんて、想像もできないから。

< 5 / 241 >

この作品をシェア

pagetop