キミの音を聴きたくて


入学してから既に3ヶ月は経っている。
学校生活はぼちぼち上手くやっている。



日はどんどん高くなっていき、もう少しで夏休みという時期にまでなった。




日々ちゃんや錦戸くんに出会ってからは、毎日が本当に充実している。



1日が過ぎていくのが早くて、寝る前には明日のことを想像して楽しくなる。



もうあの日のことを思い返すことなんてなくなっていた。
そして、天音先輩のことだって頭から抜けていた。




そんな平穏な毎日が続いていた。



────続いていくと、思っていた。




◇◆◇





「陽葵ちゃんっ、テストどうだった?」



テストの答案が返された途端、バッと抱きついてきた日々ちゃん。



その勢いで机がガタンと音を立てるも、彼女は気にしていない様子。
よっぽど嬉しいことがあったんだろうな。



あぁ、かわいい。
やっぱり日々ちゃんと一緒にいると癒される。

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