キミの音を聴きたくて
「気をつけ。
これから、文化祭実行委員会を始めます」
騒がしかった部屋とは一変し、真剣な雰囲気で始まった委員会。
さっきまで話していた天音先輩は、別人のように的確な指示を出して進めていく。
やっぱり彼は、人をまとめることに秀でているんだと実感した。
この学校の顔でもある生徒会長にはぴったりだと思う。
まずは自己紹介。
その次は、クラスで支持者が多かった出し物について発表した。
私達のクラスは無事ステージ発表に決まり、今日はひとまず解散となった。
「ふぅ……。
音中さん、お疲れ」
「うん、錦戸くんも」
軽く言ってみたけれど、確かにハードで疲れたかもしれない。
委員会に入った経験のない私には、かなりの重労働だったように思える。