キミの音を聴きたくて
夏休みの遭遇
文化祭が終わった。
帰るときには文化祭実行委員として、そして代理ボーカルとして拍手に包まれた。
改めて、あの歌声がクラス全員に。
それどころか学校中の人に聴かれていたと思うと照れくさい。
片づけは明日行うため、今日はもう解散となった。
日々ちゃんや錦戸くん、今日仲良くなったみんなと一緒に話しながら廊下を歩く。
ちなみに、相川さんを見下していた女子ふたりは、ライブが終わった後に謝ってきた。
私に対しては、『すごい歌だった』『あんなこと言ってごめんなさい』と。
相川さんには、『可愛いから嫉妬していただけなの!』『本当に今までごめんね』と。
頭を下げて謝っていた。
その剣幕に圧倒されたのか、少し引き気味だった相川さんも『もう大丈夫だよ』と答えていた。
その後のことは知らないけれど、さっきは親しげに話していたからきっと関係は修復したんだと思う。
この文化祭を通して、少しでもクラスが一丸となれたなら。
私はそれだけでも委員を引き受けたかいがあった。