また、明日。
タイトル未編集
私は小さい頃から体が、特に心臓が弱かった。
病院では18歳まで持つか持たないかと言われたぐらいだ。
そして今年、18歳を無事に迎えることができた。
たくさん友達もできたし、思い出もできたし、恋人もできた。
恋人の彼は1年の頃から同じクラスだった。
彼はイタズラ好きで、いつも皆にイタズラばかりしていた。それを見ているのがなんだか微笑ましかった。
ある日の夜、私は発作で病院に運ばれた。
その時担当医に言われた言葉が衝撃的でだった。
「落ち着いて聞いてください...」
「......はい...」
覚悟は出来ていた。
出来ていても辛いものは辛い。
「次、発作が起こると今以上に体に負担がかかり命を落とすかもしれません...」
「...そう...ですか......」
視界が溢れた涙でぼやける。
この世界は美しくも残酷だ。
「入院することをお勧めします...」
「1日...1日だけ、学校に行かせてください...」
「わかりました。くれぐれも無理はしないように。いいね?」
「はい...」
翌日、私の彼氏、爽真(そうま)にだけは言わなければならないと思い放課後、教室に残るようにお願いした。
「話って何?」
もしも、私が一人きりで、君に迷惑もかけずにいられたなら、でもそれじゃ君を知らないまま生きていくことになったかもしれない
もしも、私が嘘つきならこんな私のこと叱ってくれたかな?
「有里?おーい」
そして、私は告げた
「私さ、もう少しで死んじゃうんだ」
もしも、私が正直者ならこれが最後だって信じてくれたかな
きっときみは笑ってくれる
「そんなわけないじゃん?有里嘘下手すぎ!」
みんな分かってるつもりなんだ
「...わた..し...私......」
君に何度も言おうとしたけど、届くはずなくて
おかしいなって
「有里?」
『私、嘘下手だなぁ
流石に爽真は騙せないよね!』
笑った、精一杯笑った
涙が溢れてきたけどそれでも笑った
「...有里...?」
「わざわざ呼び出してごめんね!
私、帰るね!」
「ちょっ、有里」
「ばいばい爽真!楽しかった!!」
そう言って爽真の静止の声も聞かずに私は走った。
今までで一番早く走れたような気がする。
走ったのに不思議と発作は起こらなかった。