純情オレンジ




職員室の用も終わって、この校舎を出た頃にはちょっと空が暗くなっていた



「やっと帰れるー!」



腕を伸ばし、気持ち良さそうに言う松村さん



今思うと、松村さんって元気いいから、少し憧れる



「藍澤さんって道こっちー?」



「うん、そっち」



「みかんには聞いてないんだけどー?」



「私が答えて悪いー?」



また二人の間に火花が散る



今の状況…私が長本さんと松村さんの間に入って歩いてるんだけど



いろんな意味で歩きづらいような…



でも



「二人って…その…仲良いよね…?」



タイミングを見計らって聞いてみた



視線はどっちも私に向けられる




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