純情オレンジ




「…おー、いい匂いー…」



部屋中に澄み渡るオレンジの香り



辺りもオレンジ色に照らされ、私達はお互いの顔を見た



「…なんかこう見てると、怪談話してるみたいだなー。雰囲気的にさ」



「か、怪談…。確かにそうだね…」



そう思うと、アロマキャンドルなのに少しロマンチックじゃなくなってしまった





しばらく無言で火を見つめていると



「……凛花…あの時はほんとにごめん」



とみかんちゃんは俯いて呟いた



「え!えっと…」



私もなんて言っていいか探る





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