純情オレンジ




そう言って灯りを消す準備に取り掛かる



消し終わった後は部屋がまた薄暗くなる



よし、これでもう帰ろう



そう思ってた矢先



隣から手をギュッと握られた




「え?みかん、ちゃん…?」





「…ほんとは、まだ帰ってほしくないよ。ずっとずっと……ここにいてほしい…」





そう言われ、何も返せずにいる私




脈がドキドキとうるさく鳴る




私も…みかんちゃんとずっといたい




すぐに好きって言いたい




このもどかしい気持ちが消えないまま




時はただ、過ぎていくばかりだった





< 318 / 321 >

この作品をシェア

pagetop