【完】きみしょーこーぐん。
「すーちゃーんっ!」
悲観的な私に哀れみの目を向ける(親友?)すーちゃん。
そんな目を向けないで……。
窓際でそわそわしている同じクラスの女子。
あの子もチョコあげたのかな…?
……もしかして…狭山に?
「もしかしたらもう、バレンタインに狭山に彼女が出来てるかも!!!」
今ごろ気づいた大きな可能性。
そうだよ。
もしかしたらあの子が狭山の彼女かも…?
もし、そうだとしたら…私…。
あぁ、どうしよう。
考えただけで泣けてきたよ…。
あぁ、どうしよう。
こんなにも狭山が好きだよ。
そんな私の頭に
“ドスッ”
と腕を思い切り乗せてきたのは
「狭山っ!」
この男しかいない。
「はよっ」
「おはよう!……じゃなくって、痛いよっ」
挨拶より先に、頭に腕のせてくるって…。
しかもこっちはあんたのせいで悩んでるのに…。
本当に彼女がいるなら、私、立ち直れないくらいあんたのことが好きなのに。
「あぁ、悪い悪い」
人のこと肘置きならぬ腕置きにするなんて…。
でも、こんな時でも幸せって感じるなんて、本当にダメだ。