【完】きみしょーこーぐん。
そう言ってポイッと投げられたのは
「うわぁっ!」
小さな袋。
ん?なにこれ?
私の落とし物?
「お返し」
あー、“友チョコ”のお返しね。
まだ少し沈んだ気持ちのまま包装を解くと、小さな箱。
箱?
ホワイトデーに“友チョコ”のお返しは普通飴とかクッキーとかじゃないの?(←バレンタインにチョコを作らなかった人)
この箱の中になにか入ってるのかな…?
そーっと、開けようとすると…
「待って」
狭山に止められた。
自分でくれといて止めるなんて…。
なんなのよ、もう!
でも、そう思っていたのは狭山を見るまでだった。
「その箱開ける前に聞きたいことがある」
いつになく真剣な表情をしている狭山。
そんな狭山にダメなんて言えなくて、こくりと小さく頷いた。
なんだろう…。
なんだか、怖い…。