【完】きみしょーこーぐん。
「お前さ…俺にチョコ渡すとき、“友チョコ”って言ったよな?」
もちろん。
だってその言葉に今傷ついてるんだもん。
言わなきゃよかった。
“友チョコ”なんて。
でも、今頃違うなんて言えない。
言えるわけない。
「言ったよ」
口では“友チョコ”って。
心では“本命”だよって。
嘘って言いたいけど、私のプライドが邪魔をする。
「友チョコ?ほんとに?」
そんな私を疑っている様子の狭山。
「ほっ…ほんとだよっ!」
「そっか…」
“友チョコ”を主張した私に狭山はフッと悲しく笑う。
なんで?
なんで狭山が悲しそうなの?
「その箱、返して?」
「えっ??」
狭山は私の手にちょこんとのっている小さな箱を取ろうとする。
「なんで?」
「俺の勘違いだったから」
勘違い?
どういうこと…?