1 week
Tuesday
次の日、店で働いてると珍しく宇宙が巡回でやってきた。

「大丈夫か?」

「犯人逮捕されてるんだし、大丈夫だけど。」

素っ気ない私の態度が気になった店主は
その後、私を呼ぶと近くの美術館で開催される美術展のチケットをくれた。

「有名な絵が来るそうだよ。
ご主人と行って来なさい。」

「え?主人はこういうの興味ないですよ。」

「それでも二人で行ってきなさい。

ここの美術館のカフェのカレーはお薦めだから。」

そう言われて手渡された。

夕方になってまた日向くんがやって来た。

「こんにちは。毎日すいません。」

「いえ、良いですよ。
未来のこの本の大切なお客様ですからね。」

この本屋には椅子とテーブルが用意されていて
立ち読みは自由だ。

こんな事をしたら誰も買わないんじゃないかと思ったが
欲しいと思った本は立ち読みでは終わらず
何度も読んだ後に買っていく人もいる。

売り上げは良いとは言えないが
店主はこのビルのオーナーでとても金持ちだった。

そして本を愛する人だった。

< 10 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop