1 week
「どこで撮影?」

なぜかなかなか帰ろうとしないので日向くんに聞いてみる。

「あ、すぐ近くです。」

「そうなんだ。頑張ってね。」

帰ろうとペダルに足を掛けた時、日向くんが私を引き留めたのだ。

何事かと思ってドキドキしてしまう。

「少しだけで良いんで…お茶、しませんか?」

「え?」

「時間…無いですかね。」

憂いを帯びた瞳に見つめられて断れなくなって

「さ、30分くらいなら。」

と承諾してしまった。

近くのカフェに行き、イチゴジュースを頼んだ。

「イチゴジュース好きなんですか?実は僕も好きで…」

「ここのイチゴジュースって絶品よね?」

「はい。」

何か話でもあるのだろうか?

日向くんは当たり障りのない話ばかりしていて
もしかしたら私とお茶がしたいだけなのかも…とか
ワケのわからない勘違いをしそうになる。

「何か話があるんだよね?」

痺れを切らして聞いてみると
日向くんは頷いた。

「あの、ご主人て警察の方ですよね?」

「あんまり知られたく無いんだけど…
そう。警察官…その道の先の派出所で働いてるの。」

やはり単にこんなおばさんとお茶したいだけ…
なんてある訳無かった。

わかってるのにガッカリしてる自分がいた。

「何か困ってるの?」

「僕じゃないんですが…友達がちょっと…」

私は日向くんの話を聞いて宇宙に相談する事にした。
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