1 week

「社長、10番です!追いかけます!」

10番とはこの店で使ってる隠語で万引きの事だ。

「いや、秋吉さん!危ないから追いかけなくていいよ。」

ところが背後から武原が走ってきて見事にその男を捕らえた。

店主が警察に連絡して
事もあろうに宇宙がやって来た。

「夏月、大丈夫か?」

「あ、うん。」

「ご主人様でしたか?

いつも秋吉さんにはお世話になってて…」

「いえ、こちらこそお世話になってます。

で、そこの君は?」

宇宙が日向くんを見て店主に聞いた。

「こちらの方が捕まえてくれたんです。
実はあの男には何度か本を盗られてまして…

目が利くようで良いものばかり狙ってるんです。

来たら問い詰めようと思ってましたが…
とにかくパッと入ってサッと盗んでくので…」

「なるほど。で、防犯カメラは?」

「こちらにあります。」

私は日向くんにお礼を言った。

それを宇宙が遠くから見ていたようだった。

その夜宇宙が帰ってきて、なぜか突然
「パート辞めたらどうだ?」
と言った。
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