恋愛預金満期日 ~夏樹名義~
「ごめんなさい…… ナンパとかじゃないですから! 僕、今日凄く良いことがあったんです。だから、一緒にお祝いして下さい」


「でも、なんで私が?」


「あなたのお蔭なんです。だから、おごらせて下さい。何がいいですか?」
 彼は歩き出してしまった。

 私は仕方なく後ろを歩いた。


 私何でこの人の後を付いて歩いているのだろう?

 得体のしれない人って訳でも、通りすがりの人でも無い。銀行の人だから大丈夫かな?


 でも、この人きっと私が課長を見ていた事知っている気がする…… 


「寒いし…… 鍋でどうです?」


「あっ。はい……」

 私は突然声を掛けられ思わず返事をしてしまった。

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