恋愛預金満期日 ~夏樹名義~
恋愛預金はいつの間に
 英会話のお願いの電話をしたのは私の方からだった。

 私にとっては英会話をはじめる事が前進む一歩だったから……


 私の電話を待っていたかのように、彼は場所と時間を決めてくれた。


 彼から指定された喫茶店の入り口のドアを開けた。
 それほど広くは無いが、落ち着いた雰囲気の店に私は気に入ってしまった。


「こっちです」
 彼は喫茶店の広さに合わない大きな声で私に手を上げた。


 私が席に着くと、白髪のマスターがニコニコとお手拭とお水を持ってきてくれた。
 マスターの笑顔に、私は益々この喫茶店が気に入ってしまった。


 慣れない手つきで、準備してくれている彼の姿に、私は気になっていた事を聞いた。


「お忙しいのにすみません…… あの…… お月謝どうすればいいですか?」
 私の言葉に、彼は凄く驚いた顔をした。


「そ、そんな…… 僕に教える程の力がるか分からなし、僕の勉強でもあるので、気にしないで下さい」

「でも…… そういう訳には……」
 私は、さすがにそれはまずいと思ったが、彼はこの話題を終わらせてしまった。

「やってみてから考えましょう」


 あっという間に時間は経ってしまい、充実した時間に私は前少しづつ進めている気がした。


 彼が、教えるのが嫌にならなってしまわないよう頑張ろうと気合を入れたのだ。
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