恋愛預金満期日 ~夏樹名義~
 私は彼に教わった事を思い出しながら、積極的に英語で話しかけるように頑張った。
 例え通じなくても、間違えてもやるしかない!

 いつの間にか、英語もなんとか通じるようになると、ステイ先とも上手く行くようになった。

 友達も出来たし。充実した生活となって行った。


 そして、彼に言われた通り、危ない所にも行かなかったし、夜も一人で歩かなかった。
 そのお陰で、危険な目にも合わなかった。
 学校の生徒の中には、夜の一人歩きで危ない目にあった子もいた。


 そう、彼のお蔭で、声を掛けてくる男の子達とも深入りせずに済んだ。


 大変な事もいっぱいあったけど、乗り越えられた達成感があった。


 本当に楽しい留学生活を送った。






 一年が経ち、日本へ帰る日が決まった。


『お久ぶりです。雨宮です。覚えていますか? お変わり無いですか? 七月三日、ケアンズ便で帰国します。成田着二十時の予定です』

 私は少し心配しながらメールを彼に送った。



『必ず迎えに来ます。到着ロビーで待っています。追伸、僕は元気です』


 直ぐに帰ってきた彼の返信に、私は安心しきっていたのだ……
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