恋愛預金満期日 ~夏樹名義~
 私は実家へ戻り、以前日本で使っていた携帯を持ち、携帯の新規申し込みに行こうと外へ出た。
 しかし、あまりの激しい雨に、携帯をパーカーのポケットに入れたまま、行くのを辞めてしまった。


 気付いたのは次の日の朝だった。
 洗濯物を干そうと洗濯機の中から衣類を取り出すと、カタッと嫌な音がした。
 やってしまった――

 携帯をポケットに入れたまま洗ってしまったのだ……

 しまった! 電源を入れては見るものの、画面は真っ暗のままだ。

 慌ててドライヤーで乾かしてみたが、すでに遅し…… 
 誰の連絡先も分からなくなってしまった……

 この、私の不手際が最悪の事態を招いている事には気が付かなかった。




 どうして彼は来てくれなかったのだろうか?

 どう考えても、彼に別に好きな人が出来たという結果にしかならない……


 
 
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